たぶん機械研究部

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【日記】レポートを書いていたら日本の将来がものすごく不安になった話

今回は、私自身がレポートを書いているときに感じたことを、そのままガーッと書いていきます。主観多めかもしれませんが、その点についてはご了承下さい()

 

 

私は先月頃に受験が終わり、合格した学校からレポート課題が出されました。その内容は、

「理科の教科書の環境問題の章から、自分が興味を持った分野について、A4用紙1枚裏表にまとめなさい」

というもの。教科書のページをめくってみると、様々な再生可能エネルギーやら環境問題やらの話が出てきました。そこで私が選んだ分野は「低炭素社会」。私は将来車輌開発エンジニアになることを目指しているのですが、

2035年までにガソリン車の新車販売を0にする」

という政府の方針もあり、カーボンニュートラルを実現できる自動車を開発したいな〜、と思っていたところでした。近年自動車は、自動車単体ではなく、社会全体での大きな枠組みの視点で、役割が重視される風潮があるので、これは是非調べみようと思ったのです。

 

 

早速調べてみることに。そもそも「低炭素社会」というものは、名前の通りCO2の排出量が少ない社会のことですが、その中でもトヨタが実現を目指している「水素社会」について、詳しくまとめようという方針に固まっていきました。

しかし調べてみると、これがあまり上手く進んでいない。まずトップに見えてきた情報は、「裾野市が次世代型近未来都市構想を断念」という記事。理由は、

「実用化のめどが立っていない先進技術も多く、市民生活の現状にそぐわないと判断」したから

とのことです。

実は、完全なカーボンニュートラルを可能にした水素社会を実現させるには、様々な課題があります。先程の例で挙げた、市民への理解と協力の他、

  • 輸送方法 (体積を小さくした状態での保管が難しい)
  • 発電方法 (水素を生み出すときにもCO2を出してしまう)
  • 需要と供給のサイクル (そもそも水素を必要としている機関がない)

という感じです(かなり情報を省略しましたが…)。これらの問題をすべて解決するとなると、かなりの年月がかかってしまうことは容易に想像ができます()

 

 

さて、ここで私は、期待していた水素社会の実現が非常に困難であることを知り、少しショックを受ける訳です。ですが、同時に

「水素以外のエネルギー資源で代用できるのではないか」

と考え、レポートの内容とは少しそれてしまいますが、調べてみることにしました。

皆さんご存知の通り、日本のエネルギー資源は、他国からの輸入に頼らざるを得ない状況になっています。そして、現在主流のエネルギーである電気の発電には、今も約8割で火力発電が使われています。このままでは、「2030年度までに、温室効果ガスの排出量を2013年度比で48%削減する」という目標も、達成不可能であるのは自明です。

そこで、石炭や石油、天然ガスに代わる、新たなエネルギー資源を早期に見つける必要があると考えました。私が可能性として考えたのは、以下の3つです。

  1. 再生可能エネルギー
  2. 原子力
  3. 新たなエネルギー資源(水素 etc…)

まず1つ目の「再生可能エネルギー」です。いわゆる「太陽光」や「水力」等ですね。この3つの中では最も環境にやさしいエネルギー資源であり、非常に魅力的です。

ですが、この「再生可能エネルギー」、致命的な欠点があります。それは

「安定して電力を得ることができず、コストも高い」

ということ。自然条件が良いときにしか効率的に発電できないので、火力や原子力のように、安定的に電力を得ることができません。また、技術が完全に熟成しておらず、設置や維持にもお金がかかるので、発電コストも高くなってしまいます。ということで、これを利用するのは難しそう。

 

次に2つ目の原子力。この3つの選択肢の中では、一番現実的な選択肢ですね。発電時のCO2排出量も少なく、何より発電コストを安く抑えることができます。また、「2050年カーボンニュートラル」に向けて、安全性の確保を大前提に、必要な分だけ活用していくことも実際に示されています。

しかし、現実を見ると、あまり再稼働が進んでいません。安全上の理由だったり、反対派の世論がまだ強いためか、いまだに18.7%の稼働率となっています。さらに、原子力発電所自体も老朽化が進み、修理や解体、新たな発電所の建設も必要となってくるでしょう。そうなると、多額の資金を用意する必要があります。2030年度までの目標達成のように、急ぎ目に見るのであれば、これも難しそうです。

 

そして3つ目の新たなエネルギー資源。しかしこれは最初の方で説明しました通り、一番開発が進んでいる水素でも、短期間での実現はほとんど不可能なのが現状。発電の観点から見ても、使いこなせるようになるまでは膨大な時間がかかりそうです。

 

…といった感じで、個人的にはかなり詰んでいる状態だな、といった印象。

「発電の観点だけじゃないか」

と思った方もいるかも知れませんが、現代社会の主要なエネルギーは電気です。今使っているパソコンも、今住んでいる家も、家電も自動車も、公共交通機関も、ありとあらゆるところに電気が使われています。なので、エネルギー資源の問題を考えるのは、発電の観点だけでも十分だと判断しました。

少し内容がずれましたが、とにかくこの結果を見て、私は

 

「人生これからなのに、こんなに厳しい状況なのか、今の日本は」

 

と、非常に不安な気持ちになりました。このままでは確実に、日本は生き残ることができないな、と。

それと同時に、今日本が石炭を仕方なく選択してしまっている理由が、何となく分かった気がしました。今の日本には、ベストなエネルギー資源の選択肢が非常に少ないのです。

 

 

将来を創っていくのは私たちの世代の仕事ですが、この問題は明らかに「今」解決しなければいけない問題です。いずれ私たちの世代もこの問題に対処することになるでしょうが、政府や企業の皆さんには、是非とも本格的な最初の一歩を踏み出して欲しいところですね()

 

むちゃくちゃ長い & 主観たっぷりの記事になってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。それではまた!

 

◆参考文献

もっと知りたい!エネルギー基本計画⑦ 原子力発電(1)再稼働に向けた安全性のさらなる向上と革新炉の研究開発|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁

〜特集〜 水素社会は本当に実現するのか

ウーブン・シティ連携の裾野市も断念! IT活用「スマートシティ」はなぜ今も広まらないのか | Merkmal(メルクマール)

低炭素社会と水素社会って? | 省エネQ&A | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]

地球温暖化対策計画(令和3年10月22日閣議決定) | 環境省

2022年の国内原子力発電 設備利用率は18.7% | 原子力産業新聞